いなくなるってこと
その夜は静かな雨が落ちていた。
風呂場からは女の口ずさむ声が聞こえてくる。
私は秘密にしてきたあることを実行しようとしていた。
私の傍らには幼い女が目を丸くして見守っている。
今やらなければ二度とこのような好機は訪れないだろう。
私はついに決心してプラグをコンセントに差し込んだ・・
ぱちっ???
一瞬何が起こってるのか理解できなかった。
家中の明かりが突然消えたのだ。 落雷か?
訳がわからずあたふたとしていると風呂場から声がした。
こら~~~何しよっとか~~~!!
茶の間で宿題をしていた次男坊は、冷静沈着にブレーカーを
元に戻した。
明かりがつき目の前にあるのは焦げた匂いのするラジカセ。
風呂場から丸裸で飛び出してきた母親は阿修羅のような形相で
私に迫って来る。
身の危険を感じた私は逃走にかかる。
後ろから妹が゚*。ヾ(*´∀`*)ノ キャッキャッキャッ。*゚っ と
楽しそうについてくる。
虚しく捕縛された私は 大せっかん されました(。ノω<。)よいこのみなさん。 電気製品を分解するのは 危険 です
こういうのを 家族団らん とよぶんでしょうね
私が家族と離れて暮らすようになって20年以上経ちます。
その間に祖母がなくなり、親戚の何人かがこの世を去りました。
同級生や近所に住んでた知り合いの中の何人かも、事故や
病気で亡くなってます。
悲しいことですが、別れは必ずやってきます。
年老いた者が先にあの世に行くのが、本来の姿なのでしょうけど
残念ながら順番通りにはいかないのが現実です。
いなくなるってどういうことなのでしょうか。
『明日、君がいない』 (2006年 オーストラリア ムラーリ・K・タルリ監督)
午後2時37分、オーストラリア南部の高校で生徒が自殺を
計りました。
その朝、それぞれの悩みを抱えた6人の高校生が登校します。
両親に不満を持つ者、ゲイで悩むもの、障害を持つ者・・
彼らは押しつぶされそうな心の中を誰にも話せず、今にも
壊れそうになりながら生きています。
そして、午後2時37分。校舎の片隅でひとつの命が消えました・・・
こんな別れもあります。
『さよなら。いつかわかること』
(2007年 アメリカ ジェームズ・C・ストラウス監督)
単身赴任の妻の死を娘たちに伝えられない彼は、娘達を連れて
旅に出ます。
突然の旅行に訝しがる姉と、無邪気にはしゃぐ妹。
話すきっかけをつかめないまま、思い悩む父親。
彼は次女が行きたがっていた遊園地へ向かう。
何も知らず楽しそうに遊ぶ妹に対して、大人びて物分りのいい
姉の姿が物悲しく感じます。
そして父は全てを話すことを決心して海辺へと2人を誘います。
見終わったあと心に残る映画です。
このラストシーンを見るたびに涙が止まらなくなります。
地味な作品ではありますが心がどこか温かくなる秀作です。
今夜はこの子に
心の 魔法 をかけて
もらいます。
帰ってこないかも
しれません・・・
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ねんざさんの記事を読んで
「いなくなる」って事考えてみた
あたしは今年の始めに伯母さんの旦那さん
つまり伯父さんを亡くしたよ。
末期癌だったの。
あたしはまだ、家族や親戚の悲報をきちんと目の当たりにしたことなくて
漠然と「伯父さん死んじゃったんだ・・・」って感じだった。
でも、お祖母ちゃんやお祖父ちゃんももう80半ばでいつ
亡くなるかわからないし、猫さんも6歳と8歳・・・
だんだん「いなくなる」事の実感、しのびよる足音を感じるようになった。
あたしもねんざさんもいつかはいなくなる
それが病気か事故かわからないし安らかな老衰かもしれない
でも、そういう風に「死」を身近に感じるようになって
自分が今までいかに命を粗末にしてきたのか痛感したよ。
人も猫さんもいつかはいなくなる
だから精一杯後悔しないように恋愛して仕事して買い物して沢山寝て
沢山食べて、笑って泣いて・・・そういう命の美しさを感じていたいと思う。
命は大事。
子供の頃から漠然と知ってたけど、本当に今は漠然じゃないんだ。
大事なんだ。大事な人が沢山いるから。
投稿: みたむーさん | 2012年4月16日 (月) 20時33分