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2012年4月 9日 (月)

幽霊さがしin山の中 その2

1時間ばかり山の中を走りライトに浮かび上がったのは廃墟。

テレビの心霊特集じゃないけどあまりにも都合良すぎないかい?

レポーターの若い女の子が胡散臭い霊能者と騒がしいだけの芸人
引き連れて、今は使われてない病院やホテルを検証するってやつ。

‘物音がします・・上の方です。誰かが歩いてる・・’ 
‘子供がいます。髪の長い白い服の女の子がその奥に・・  キャ~~~~’
照明が突然消えて・・わかりません。故障ではありません。わかりません。

いくらなんでももうちょっとマシな番組作れないのかな~~

私たちは車から降りるとそんな話で盛り上がりながら後ろから来るもう1台を
待っていた。

Aはタバコをくわえながら“この奥にも家はあるのかい?”と言いながら
目の前の廃墟となった家へと向かっていく。

家の周りは石を積み上げた低い囲いがしてあり、庭は長い間放置して
あるのを示すように長い草が生い茂っている。

1本しかない懐中電灯で足元を照らしながらAは草むらの中へ踏み込んでいく。
車のライトに照らされてAの影は開け放たれた家の玄関を越える大きさで
左右に揺らめく。

“ナウシカの巨神兵みたいだ” Fは果汁グミ苺味を食べながら笑ってる。

やっと到着した黒のワゴンRは、私たちから少し離れて停車した。
そこからライトを照らすと斜めからの光で、家全体が浮かび上がる。

車から降りてきたBは “中に入るんすか?やめたほうがいいんじゃないすか?”

Hはニヤニヤしながらも “暗いしさ、何があるかわかんねぇし、釘でも踏んで
怪我したらシャレになんねえぞ” と危険を諭す。

車の方からフラフラして転びそうになりながら(転べば笑ってやったのに(*≧m≦*))
Bの彼女が歩いてきた。

“○○さあ~~ ” ※○○は彼女の名前です。本名は美紀です。秘密です。

“さっきだけど~人が見えたの~~”
“木の間に人が浮いてたって言うんすよ、マジらしいんすよ。”
Bが妙ちくりんなことを言い出す彼女を弁護する。

“首でも吊ってたってか?” FもHも笑い出した。

“お~~い 来てみろよ。ガラクタばっかりだぜ~~”
Aがぽっかりと口を開けた暗がりの中から私たちを呼んだ。

私とFとHはヘッドライトが照らす明かりを頼りに家の中へ入った。
もちろんBとその彼女は外で待ってることになる。

        いきなり・・・


Nen0018_3

こんなのが出てこない限り驚きはしないけど、足を踏み入れた家の中は
思ったより暗く外の光もほとんど届かない。

Aは懐中電灯の明かりで、埃まみれの家具や置物を照らしながら
“金とかないのかな~お宝みたいなものとか。探偵団出せるようなもの
あればいいのにな~”
などと言いながら拾ってきた棒っ切れで辺りをかき回す。

Fは “暗いし臭えぇよ!” と閉まっているガラス戸を木の雨戸ごと蹴破り
始めた。

私とHも雨戸に向かって飛び蹴りしたり近くにあったラジカセや古い木箱を
投げつけたりしてるうちに表戸は破壊され、車のライトが部屋の中を
見渡せるほどに照らしだした。

そこには朽ちてはいるが、生活の匂いがした。

散乱した茶碗は大きいもの小さいのもの、うさぎの絵がプリントされたマグカップ。
半分に折れた孫の手、丸められた煙草の空き箱、茶色くなった薬の袋。

確かに誰かがここで生活していた痕跡を、もう2度と使われることのない
埃まみれれの古びた道具たちが物語っていた。

“奥に行けるぜ~” Aは、奥の間に通じるくすんだ肌色の襖に手をかけた。


               いらっしゃ~~~~~い

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   水着のお姉さんが出てくなら嬉しいうれしいけど(#^.^#)

手をかけたのはいいけど硬くて動かない。立て付けが悪いのか
それとも釘か何かで打ち付けてあるのかわからいが、とにかく
びくともしない。

蹴破るか! 助走をつけようと2~3歩後ずさりしたHを見てFが言った。

“止めとこうや 夜中に暴れ過ぎだ。”

さっきまで大喜びでガラス戸を叩き割ってた本人がいやに慎重な声で
“そろそろ引き上げようぜ。 本当に 呼び寄せる ってことあるから。”



これはね。昔聞いた話なんだけど、絶対やっちゃダメってこと。

山の中でも海辺近くの林の中でもそうなんだけど、たまたま偶然に
お墓みたいなのを見つけることって無い?

苔が生えて荒れ放題になってる。ずいぶん長い間ほったらかしになって
お墓なのか、何かの印なのかもはっきりしない石。

それがお墓だったら 無縁仏 って言うらしいんだよ。

もし見つけたとしても、決して手を合わせて拝んだり、花を供えたり
したらいけません。

そんなことしたら、そこに眠っている霊が供養してくれる人だと思って
頼ってついてくるらしいから

絶対にしたらダメだよ。無視して通り過ぎるのが安全だからね。

Img_422757_5711649_0

私たちは意気を削がれた感じで外へ出ると、じゃれ合っているかと思ってた
Bと彼女が神妙な顔してこちらを見ていた。

“早く帰ろ~~” と彼女も言うし、これから道に沿って集落の中にまで
進むのもめんどくさくなってきた。

“とりあえず今夜は引き上げてまた今度にしよう”
“昼間にきてみないと訳がわからねぇから” “塩持ってこないとさぁ~”

などど各人は自分自身に言い訳しながら、帰路へついた。


私は心霊現象なんて信じないし、実際に体験したことも無い。

信じないからといって、現実にありえないか?って言うとそう言う事でもない。
昔話に出てくるお化けや妖怪たち。地方の民話に登場するもののけの類。

科学的にあり得ないなどと言って、完全に否定するのは簡単だけど
     
      もしかしたら 出た?!

なんてことが無くなったら、世の中もっとつまらなくなるぜ~~~~~

これって多分私の見間違いだと思うんだけど・・

車に乗り込んで帰ろうとしたその時、何げに今出てきた廃屋を見た。

そこには残骸と化した屋敷が草木に囲まれて、黒々とうずくまっている。
誰もいるはずのない、居てはならない黒い家。

  「今度来るときは、峯岸みなみちゃんと一緒だぞ!!」

って思ってたその時。

乱雑に生えた木々が覆い隠している屋敷の奥。さっき入ろうとして断念
したあの奥の部屋があるところ。

わずかに見える小窓に明かりがついてる。

一瞬のことである。
小窓の奥からぼんやりと明かりが灯ったのである。

これって間違いなく錯覚である。そんな気がしただけなのである。
今でも鮮明にあの明かりは覚えてるけど、見間違いだと信じてる。

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寒い夜は早く寝ないと雪ん子がくるぞ。

そう言えば桜が遅れてるんだって。

夜になるとまだまだ寒いもんな。

雪ん子と遊んでやったら、桜も咲くんじゃ
ないかな~~

雪ん子は雪の精だけど花の精でもあるからね。


                        『ぬらりひょんの孫』(2008年-連載中  椎橋寛)


  

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